工程能力指数Cp,Cpkの注意点について。式は簡単ですが実践するには結構骨が折れます。
工程能力指数の算出式は結構簡単で、規格幅とその分布の6σの比を表しているだけです。計算するのも簡単なので手軽な指標と思われがちですが、実践するには相当な力量が必要という事を分かってくれたらありがたいです。
QCの勉強をしてQC7つ道具以外に簡単に使えそうに見えるのがCp工程能力指数だと思います。
QCの勉強をしてQC7つ道具以外に簡単に使えそうに見えるのがCp工程能力指数だと思います。
算出式も下図のように、規格幅を6σで割ったもの(規格幅と6σの比)です。
この図場合は分母分子が同じ幅なので Cp=1 となります。(基本)

ものの本なんかには(QCの入門書なんかにも)1.33以上が望ましいと良く書かれていて(それはそれでもっともなのですが)それを読んだ人が、それをそのまま単純に信じ込んで手順や社内規格にしてしまうと、それはもう大変なことに(普通)なります。
工程能力指数の算出式が簡単(解り易過ぎて)深く考えずに使ってしまう。
工程能力指数の算出式が簡単(解り易過ぎて)深く考えずに使ってしまう。
片側やCpkにしても、その式が示すところは簡単で至極ごもっともなんですがそれがかえって仇になってる様ななってないような的な感じです。
工程能力指数を業務で実践するには2つのおおきな課題がある。
わたしは1.33を否定しているわけではなくて、工程能力を仕事に活かそうとした場合、大きな二つの問題があると思ってます。

問題と言うより、この2点をしっかり理解&教育出来てないと工程能力は指標にならないと思ってます。経験上。
その1:その指数は母集団の推定値であることを忘れてしまう。
これはSQCの教科書なんかに注意事項として良く書かれていることですが。
上記工程能力の式から母集団のσ母標準偏差やμ母平均を使って表されるものであることがわかります。
で、σもμも本当の値は判らないのでサンプルの統計量からxバーやsから推定することになります。
この場合、サンプルの量が十二分だったり工程が十二分に安定していればその値をもって工程能力指数を推定してもさほど問題ないと思います。
(100とか1000とかだったらデータがあと2~3増えても統計量はそんなに変化しないと思います)
ですが、多くの場合そんな大量にサンプルが取れたり安定したりていることは普通あんまりありません。
4~5個程度のサンプルからの統計量で工程能力を算出しても、5個目6個目のデータを取った時点でサンプル平均やサンプル標準偏差がふらついていたら、データを取る毎に工程能力がふらつくことになります。

なのでテキストなどでは『工程能力指数の区間推定』などを勧めてくれますが、これが結構難しかったりします。
おまけに我らの得られるサンプル量では幅が広すぎて見当付けられなかったりもします。
その2:固有技術によってCpk=1で十二分(願っても無い)事もあれば2でも全く不足している場合もある。
算出式からもわかるように、対象によってそれこそ1.33で十分なものもあれば1.67でも不足しているものもある事も十分考えられます。
わたしの分野では、そんなに工程が安定することはないので多少歩留まり悪くても1もあれば御の字なことがよくありますが、完済された技術のもとで大量に生産れるようなもの(フィルムみたいなもの)では1.33では多分足りなくてもっと大きい値を目標にしているような気がします。
これも固有技術によりけりなので、一概に「1.33でないと認められない!」としてしまうと、未来永劫その技術で作られるものは世の中に出回らないことにもなってしまいます。
何事もケースバイケースだと。
以前の工程能力指数説明動画。
ちょっと前にこの辺りのことを説明しようとして動画こさえました。
見直すとちょっと恥ずかしいので、やり直そうか検討してますが、たぶんすぐには取り掛かれないので、ちょっとわかりにくいかもしれませんがご参考まで。
夏休みごろに9月のQC検定に向けてリモート講座でも企画しようかなと思てます
teamsはだいぶ慣れてきました。zoomも機会が増えたので何とかなりそうです。
需要があればですが、2級&3級で受験前の総整理のような内容がいいかなと。
希望があったらコメント欄やメールで教えてください。
誰も見てないと思うけど。(;^ω^)
メールは
mail【アットマーク】kaiten-qc.com
まで。

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